ジャージの二人/長嶋有

ジャージの二人

ジャージの二人

非常にゆったりとした気分で最後まで読み進められた。
特にわかりやすく笑えるとか泣けるとかいうことはないけれど、ちょっとしたやりとりや表現の面白さ。


山荘でのんびり暮らしていてもコンビニに入れば都会に戻ったような気になるし、食事の後片付けが済めばすぐに次の食事の準備を始めなければならなかったりもするし、カタカナ語が覚えられない、犬に引きずられる、携帯の電波が入らない、古着のジャージで寝転がる。それが生活。


「何もなさ」の中にこそ大切なものはあるのかもしれない。